| 名称 | ボローニャのポルティコ群 |
|---|---|
| 国 |
イタリア |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
ボローニャのポルティコ群
「ボローニャのポルティコ群」は、イタリア北部の都市ボローニャに位置し、12世紀から現代に至るまで建設され続けてきた屋根付きの歩道(アーケード)群です。
市内全域に広がるポルティコの総延長は約62kmに及びます。これは東京駅から横浜駅までの直線距離(約30km)の往復分に相当する非常に長いスケールです。
世界遺産を構成する12の資産
- サン・ルーカのポルティコ
- サンタ・マリア・デイ・セルヴィ聖堂周辺
- サント・ステーファノ地区
- バルカ地区
- メルカンツィア広場周辺
- ガッリエラ通り周辺
- ポデスタ宮殿周辺
- ピアッツァ・カヴール周辺
- ストラーダ・マッジョーレ周辺
- ピアッツァ・チェレストゥーニ周辺
- サラゴッツァ地区の一部
- ボローニャ大学周辺を含む歴史地区の一部
「ボローニャのポルティコ群」の主な評価ポイント
- 12世紀から続く建築伝統の連続性:木造や石造、煉瓦造りから、20世紀の鉄筋コンクリート造まで、時代ごとの建築技術や様式の変化を現在まで切れ目なく伝えています。
- 私有地でありながら公共利用される独特のシステム:建物の所有者は民間ですが、歩道部分は市民や訪問者のために公開・管理されており、1288年の法令以来続く都市のアイデンティティとなっています。
- 持続可能な都市生活と交流の場:雨や日差しを避ける歩行者空間として機能するだけでなく、市民、学生、移民などが日常的に行き交い、アイデアや交流を育むコミュニティの拠点となってきました。
歴史的背景とその魅力
ボローニャのポルティコが本格的に普及した背景には、ヨーロッパ最古の大学の一つであるボローニャ大学の存在があります。中世以降、ヨーロッパ各地から大量の学生や学者が集まったことで激しい住宅不足が生じ、建物の2階部分を道路側に突き出して増築する手法がとられました。その突き出た部分を支えるために柱が設置され、結果として下に屋根付きの歩道(ポルティコ)が形成されたと言われています。
1288年、市は法令により「新築の建物にはポルティコを設置すること」「高さは馬に乗った騎士が通れる程度とすること」などを規定し、私有地でありながら街の公共の空間として利用・維持される独自の都市ルールが確立しました。第2次世界大戦時の爆撃で大きな被害を受けたボローニャですが、被害が少なかった貴重なポルティコ群や丹念に修復されたエリアが保護され、現在も「屋根のある街」として世界中から訪れる観光客を魅了しています。
この「歴史的都市空間と市民生活の共存」というテーマは、他のイタリアの世界遺産とも深く繋がっています。例えば、近郊にある「モデナの大聖堂、市民の塔、グランデ広場」や「フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯」に見られるように、エミリア=ロマーニャ州の一帯は中世からルネサンス期にかけて独自の都市計画や市民コミュニティを発展させてきました。
歴史的な街並みを濡れずに歩きながら、カフェやショップ、大学街の活気を体感できるボローニャのポルティコは、過去の遺産として保護されるだけでなく、今なお生きている都市機能そのものとして機能しています。