| 名称 | ジャテツとザーツホップの景観 |
|---|---|
| 国 |
チェコ |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
ジャテツとザーツホップの景観
2023年に開催延期された第45回世界遺産委員会において、チェコの「ジャテツとザーツホップの景観」が世界文化遺産として登録されました。
「ジャテツとザーツ・ホップの景観」は、チェコ北西部にある文化的景観で、ビールの香りや苦味のもととなるホップの中でも、世界的に知られる「ザーツ・ホップ」の栽培・加工・取引の歴史を伝える世界遺産です。
この世界遺産は、次の2つのエリアで構成されています。
- ジャテツ:中世からホップの取引や加工の中心地として発展した町で、ホップの乾燥施設や倉庫、品質管理施設などが残されています。
- ザーツ・ホップの景観:オフジェ川沿いに広がる伝統的なホップ栽培地で、ホップ畑のほか、ステクニークとトルノヴァニの村々が含まれています。
700年以上にわたって受け継がれてきたホップ栽培の伝統や、乾燥・選別・品質認証・流通までを支えた農業と産業の仕組みが現在も良好に残されている点が評価され、世界遺産に登録されました。特に、畑と町が一体となってホップ生産の全工程を示す文化的景観であることや、ヨーロッパの伝統的な農業景観をよく伝えていることが高く評価されています。
ザーツ・ホップは「サーズホップ」とも呼ばれ、チェコを代表するアロマホップとして世界中のビール醸造に利用されています。特にチェコの伝統的なピルスナービールには欠かせない品種として知られ、日本を含む多くの国のクラフトビールでも使用されています。
また、ジャテツの町にはホップやビール文化を紹介する博物館や歴史的な乾燥施設が残り、現在もホップ栽培が続けられています。
チェコには同じく歴史的な都市景観が評価された「プラハ歴史地区」や、中世都市の姿をよく残す「チェスキー・クルムロフ歴史地区」などの世界遺産がありますが、本遺産は都市そのものではなく、農地と都市が一体となって一つの産業を支えてきた景観を評価した点に特徴があります。