サカテカス歴史地区
サカテカス歴史地区はメキシコシティの北方500メートル程に位置する、サカテカス州の州都サカテカスの歴史地区にある街の大聖堂などから構成される世界遺産です。
標高約 2,250 m の高地に位置するサカテカスはメキシコ有数の鉱山都市であり、巨大な銀鉱脈が眠る場所。16世紀に銀の鉱脈を発見したスペイン人は、多くの宣教師を伴って大挙としてサカテカスに押しかけました。その地下鉱脈で手堀で採掘作業を強いられたのは、征服された先住民。
8歳の小さな子供までが借り出されて、劣悪な環境の中で多くの先住民が命を落とすという悲劇のうえで、鉱山王の豪邸や、メキシカンバロックと呼ばれる、スペインのバロック様式とメキシコ先住民の文化が融合して独特に発展した様式のサカテカス大聖堂などの傑出した宗教建造物を生み出されていったのです。
サカテカス大聖堂には、南国の植物や太陽信仰をあらわす浮き彫り、先住民を誘う踊る天使などの姿が描かれており、スペインの文化と先住民の文化が混じり合った、現在のメキシコ社会を造りだした原点ともいえる風景を現代に伝えています。