古都ザビード
ザビードは、イエメンの西部に位置するフダイダ県に属する都市です。紅海から20kmほど内陸に位置しています。イエメンで最も古いモスクが造られた場所として知られ、その後、混乱の時代があったものの、819年にムハンマド・イブン・ジヤードが町を創設、その後、ジヤード朝を建国し、アラビア半島初の大学を創立しました。
豊かな農業生産と交易により、ザビードにはイエメンにおけるいくつかの王朝の首都が置かれたほか、宗教・学術の中心としても栄えました。しかし、16世紀後半以降、街が衰微すると地域の中心はフダイダに移り、以後のザビードは地方の小都市となっています。
13世紀から16世紀前半にかけて、イエメンだけではなくインド洋一帯のイスラーム諸地域における教育・宗教の中心地でもあったことから、1993年に古都ザビードとしてユネスコの世界遺産リスト(文化遺産)へ登録されました。
ザビードは紅海沿岸にひろがるティハーマ平野に位置し、「ワーディー・ザビード」と「ワーディー・リマア」と呼ばれる2つのワジ(涸れ川)に挟まれた都市です。
古都ザビートは、都市化などの理由で、2000年には危機遺産リストに登録されています。