屋久島は、鹿児島県の大隅半島佐多岬の南南西約60㎞の海上にあり、種子島、口永良部島と共に大隅諸島を形成しています。島全体ではなく、島の面積の21%が世界遺産に登録されています。
屋久島とは
屋久島の面積は504.29㎢で、周囲は130㎞(東西約28㎞、南北約24㎞)で五角形をしています。日本で7番目の大きさの島になります。
島には九州最高峰の宮之浦岳(1935m)があり、他にも高い峰々が集中しているため、「洋上のアルプス」と呼ばれることもあります。
島の90%以上が森林に覆われており、日本の植物種の7割以上が生息しています。固有種は約40種、屋久島を南限とするものは約140種、北限とするものは約20種おり、「東洋のガラパゴス」といわれています。
これは、亜熱帯から亜寒帯まで幅広い気候が観測されるためこのような多様な生態系が形成されたと考えられています。
屋久杉
屋久島に生息する、樹齢1000年以上の杉を屋久杉と呼びます。古来より神木とみなされてきました。屋久杉の中には有名なものが多く、これを目当てに多くの観光客が訪れます。
縄文杉
1966年5月に発見された縄文杉は、樹高30m、幹周16mの屋久島を代表する屋久杉です。樹齢は2000年から7000年とも言われています。中心部が空洞で、その内側から資料を採取して測定した結果は、2170年の樹齢でした。
縄文杉を見るためには過酷な登山をしなければならず、8時間から10時間もかかるといいます。
大王杉
推定樹齢3000年の、縄文杉が見つかるまでは最大の屋久杉でした。そのため、「大王」の名がつけられています。
ウィルソン株
300年ほど前に伐採された屋久杉の切り株です。推定樹高は42m、幹周13.8mの大木でした。大正時代にウィルソン博士が紹介したことによりこの名がつけられています。
夫婦杉
3mほど離れた2本の屋久杉の枝が、高さ10mの位置でつながっているため、この名がつけられました。この高さで枝が連結することはとても珍しいそうです。
他にも「ひげ長老」や「三本足杉」など、個性的な名前がついた屋久杉があちこちで見られます。
屋久島の歴史
屋久島についての記述は、日本書紀に「616年、掖久・夜勾・掖玖の人30人がやって来て日本に永住した」という記録があり、続日本紀には、種子島と合わせて多禰国(たねのくに)となったと書かれています。
1203年に種子島氏の支配下に入りますが、1595年には太閤検地により島津氏の統治下となります。豊臣秀吉は寺院建築のために屋久島の杉を伐採しましたが、ウィルソン株はこのときにできたものではないかともいわれています。
1924年に屋久杉が天然記念物に指定されると、保護運動が高まりました。そして1980年代に一切の伐採が禁止されたのです。
縄文杉を見るにはきちんと準備をしてのぞむ必要があります。神聖な木でもありますから、尊敬の念を忘れてはいけませんね。
屋久島内の白谷雲水峡は、映画「もののけ姫」の舞台になった場所だそうです。こちらもぜひ見てみたいものです。