ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群
世界遺産第一号としても有名な「ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群」はポーランドのマウォポルスカ県にある岩塩の採掘坑です。
2000万年前、クラクフの南東13kmにあるヴェリチカは海でした。地殻変動により海は陸に囲まれ、塩の湖へと姿を変えたのです。やがて湖の水分は蒸発して塩の結晶を残し、蓄積した結晶は、地下に沈んで巨大な岩塩層を作り上げたのです。
採掘坑は、地下64~327メートルに至る9層で、深さは地下327メートル、全長は300キロメートル以上に及びます。700年以上の歴史誇る地底岩塩採掘坑なのです。
第二次世界大戦中には、この岩塩坑を占領したドイツ軍がその一部を軍需物資の製造拠点として使用しました。
現在は観光地となっていて、地下135メートルまでが一般公開されており、当時の採掘の様子を再現した人形展示、岩塩で作った聖キンガ礼拝堂や彫刻などを見ることができます。
聖キンガ礼拝堂
最大の見どころは、地下101メートルにある聖キンガ礼拝堂です。天井、壁、床、祭壇すべてが塩で作られています。これらは全て坑夫たちが信仰のために彫ったものです。
『最後の晩餐』のレリーフ
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を模した塩のレリーフがあります。暗く危険な坑内での安全を祈り、鉱山労働者たちは自らの手で塩の彫刻を制作しました。