「ウィーン歴史地区」として世界遺産に登録されているオーストリアの首都ウィーンは、近世以降は、「音楽の都ウィーン」としてヨーロッパ文化史上で重要な役割を果たしてきました。ウィーンは名門王家ハプスブルク家の支配の下、城塞都市として発展しました。
ウィーンでは再開発計画が進められており、歴史的都市景観に悪影響をが懸念されています。そのため2017年、危機遺産リストに追加されました。
「ウィーン歴史地区」主要スポット
聖シュテファン大聖堂
歴史あるウィーンの街のシンボルで、市民から「シュテッフル」の愛称で親しまれているのが、聖シュテファン大聖堂です。聖シュテファン大聖堂は、12世紀半ばにロマネスク様式の教会として建設されたことに始まり、13世紀から14世紀にかけてハプスブルク家のルドルフ4世の命により、建物主要部分がゴシック様式に建て替えられました。
ウィーン国立歌劇場
「音楽の都ウィーン」を象徴するウィーン国立歌劇場。ウィーン市民の誇りであり、世界中の音楽愛好家を魅了する場所です。ウィーン国立歌劇場は、今でも世界最高レベルを保っており、日本を代表する指揮者小沢征爾氏も2002年から2010年まで、このウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めました。
ベルヴェデーレ宮殿
ヴェルベデーレ宮殿は、プリンツ・オイゲン(1663-1736)が、当時の代表的建築家であったヨーハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントに夏の離宮として造らせたバロック様式の宮殿です。
環状道路「リンク・シュトラーセ」
19世紀、ハプスブルク家最後の皇帝であるフランツ・ヨーゼフ1世は内側の城壁を取り払って、「リンク・シュトラーセ」と呼ばれる環状道路を設置しました。世界遺産のウィーン歴史地区はその周囲約5kmのこのリンクの内側を指します。現在は路面電車がこのリンクを走っています。