「バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群」はスペイン北東部に位置するカタルーニャ州リェイダ県にある狭く側面の切り立った谷、バル・デ・ボイに建設された、9つの初期ロマネスク様式の宗教建築物からなる世界遺産です。ピレネー山脈にあるこの標高の高い渓谷は、昔から人の少ない隔絶された場所。
それゆえにムーア人によるスペイン占領の影響を受けることなく、9世紀頃から最初のキリスト教集落が出来上がりました。その後、この地に大規模な銀鉱脈があるとわかると多くの人々が集まることとなり、銀によってもたらされた富によって、11世紀から14世紀にはロンバルディアから持ちこまれた新しい建築様式を採用した精巧な石造りの教会が数々と建設されていったのです。
バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群の特色は、優雅な鐘楼を持つことと、精巧な石造建築物であること。自然豊かな渓谷と石造りの聖堂のコントラストは、見るものをうっとりとさせる美しさを持っています。