ロンドン塔



ロンドン塔は11世紀に現在のイギリス王室を開いたウィリアム1世によって築かれた城のことです。その後、16世紀のヘンリー8世は新しい宮殿を建て、ロンドン塔を監獄としました。ロンドン塔の正式名称は「女王陛下の宮殿にして要塞」といいます。

ロンドン塔は長い歴史を持っており、今まで王の居住地・議会の会場・牢獄公文書館・王室の財宝保管所・銀行・動物園など多くの役割を担ってきました。

1000年近い歴史を持つロンドン塔

photo credit: PICT7422 via photopin (license)

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1066年にウィリアム1世が築いたロンドン塔は、質素な木造の砦にすぎませんでした。数十年のうちに、白い石材で建て替えられると、「ホワイト・タワー」と名付けれました。地上3階、地下1階。要塞と王宮を兼ねたこの城塞は、以来、国内の城塞建築の模範となりました。歴代の王たちは、ホワイト・タワーを中心にさまざまな増築を重ね、19世紀半ばに、今日見ることが出来るロンドン塔の全容が完成しました。

歴代の王が住居としていたロンドン塔には、中世以来、王立動物園や天文台、造幣所まで増設されました。15世紀後半からは牢獄や処刑場としても使われるようになります。本格的な残虐物語のページが開かれたのは、ヘンリ8世治世からでした。

1509年に即位したヘンリ8世は、絶対王政を確立して国の発展の礎を築きました。しかし、冷酷で情け容赦のない王は、男児を産まなかった最初の王妃キャサリンを離縁し、同じく男児を産まない2番目の王妃アン・ブーリンをロンドン塔へ送っています。アンに姦通罪の濡れ衣を着せ、幽閉、処刑するためでした。

塔内の裁判で、アンに下された判決は死刑となります。高貴な身分の囚人専用の処刑場タワー・グリーン、その中央に設置された斬首台に上がったのは、1536年5月19日のことでした。処刑は、アンの願いにより斧ではなく剣で行われました。 「私の首は小さいですからね」と、立ち会いの役人に笑いながら話しかけた彼女は、目隠しをされると、死刑執行人の前に歩み出ました。そのあまりにも穏やかで美しいアンの姿に一瞬たじろぎつつも、執行人は剣を振り下ろします。この瞬間、ブーリンの29年の生涯は幕を下ろしました。

以後、ロンドン塔で彼女の幽霊を見たという話が、頻繁に聞かれるようになります。
「アンを先頭にした行列が、礼拝堂の周りを何度も回り、光とともに消え去った」
「霧の奥に、白い人影が漂っていた」
「アンを乗せた舟がテムズ川を下っていくのを見かけた」
この種の噂は今でも後を絶ちません。理不尽な罪で処刑された王妃に、永遠の安息が訪れるのは、いつのことなのでしょうか。

父王を亡くしたエドワード5世が12歳で王位を継いだのは、1483年4月のことでした。しかしその直後、11歳の弟ヨーク公とともに、王位を狙う叔父リチャードによってロンドン塔に幽閉されてしまいます。6月、叔父はリチャード3世として即位。

同じ頃、二人の王子はロンドン塔からを消した「かつてのガーデン プラディ・タワー(血まみれの塔)ばれるようになったのは、そこで王子たちが殺されたからだ」。こんな噂も流れたが、わからないまま、歳月は流れていきました。

それから約200年後の1674年、 ホワイト・タワーの南階段下で少年の遺骨が発見されました。時の国王チャールズ2世は王子たちの遺骨だと信じ、ウェストミンスター寺院に埋葬しました。この遺骨は1933年、確かに王子たちのものだと鑑定されたが、彼らを殺したのが叔父リチャードかどうかは謎のままです。

少年王をめぐる謎は、長い間、芸術家 の想像力をかきたててきました。16~17世紀に活躍した劇作家シェークスピアは、劇『リチャード3世』のなかで、リチャ ード3世を残忍な野心家として描いてい ます。19世紀前半のフランスの画家ドラロ ーシュは、塔に幽閉された二人の姿を描きました。暗がりで寝台に腰掛けけているエド ワードと寄り添う弟は、怯えた表情を浮かべ、哀れを誘います。 疑惑の的のリチャード3世は、ばら戦争で味方に裏切られ、あえなく命を落としました 即位わずか2年のことでした。

大カラスがロンドン塔を去るとイギリス王室が崩壊をするという予言を受けたため、カラスを飼う習慣が始まったと言われています。そのカラスは処刑された人の肉を食べるために集まったカラスです。6羽が飼われ、飛べないように羽を切られました。
また、ロンドン塔には、世界最大級のカットダイヤモンドであるカリナン(アフリカの星)が保管されています。

 

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