テトゥアンはモロッコの地中海側、北部にある町です。さらに北に進むと40kmほどのところには、地中海と大西洋を分かつジブラルタル海峡があります。ベルベル語では「ティタウィン」と呼ばれていましたが、これは「目」を意味し、この地に湧く泉の比喩表現となっています。
古くからモロッコとイベリア半島をつなぐ拠点として栄えていましたが、14世紀末、スペインによって破壊されてしまいました。再建したのは、15世紀ごろにキリスト教徒のイベリア半島解放運動「レコンキスタ」によって土地を追われてきたイスラム教徒とユダヤ教徒です。
テトゥアンは、彼らによって城塞都市として建設されました。20世紀、モロッコの大半はフランス領となりましたが、テトゥアンは南スペイン・アンダルシア地方の影響を受け、白亜の街並が広がっておりこれらはスペイン・ムーア文化と呼ばれています。