シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

フランスのロワール川流域に広がっているロワール渓谷には、アンボワーズ、アンジェ、ブロワ、オルレアン、トゥールといった歴史上の重要都市が点在しています。「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」として世界遺産に登録されました。

「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」目次

 

ロワール渓谷が世界遺産に登録されるまで

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷ロワール渓谷は世界遺産条約において、シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある遺産)の代表例として有名です。シリアル・ノミネーション・サイトとは、文化や歴史的背景、自然環境などが共通する資産を、一つのみならず全体で登録するという考え方のことです。

まず1981年に最初に世界遺産に登録された城が、シャンボール城です。この年は、シャンボール城単独での登録でしたが、その後、2000年に渓谷沿いの他の城と共に拡大登録されました。シリアル・ノミネーション・サイトとしたことで、ロワール渓谷にある他の城館が世界遺産に登録されやすくなり、それぞれの遺産のつながり、価値の強化に繋がりました。

ロワール渓谷とロワールの古城たち

ここは数々の名城が現存していることから「フランスの庭園」の異名を持ち、かつての宮廷が多く置かれ、典雅なフランス語が発達したことから、「フランス語の揺籃地」とも呼ばれています。

ロワール渓谷には300をこえる古城が建設されています。初期のものは、元来中世に城砦として建造され始めたものでした。ルイ14世の頃からはヴェルサイユ宮殿の存在によって、ロワール渓谷の政治的な重要性は失われましたが、その後も改修などは継続されたため、主要な城は廃れることはありませんでした。

シャンボール城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

シャンボール城は、ロワール川支流のコッソン川に面した場所に、1519年フランソワ1世の命により建設が始まりました。完成した城は、総敷地面積5500万㎡、建物の規模は幅156m、奥行き117mあり、440以上の部屋と365の煙突を持つロワール川流域の城の中で最大のものとなりました。

ユッセ城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

「眠りの森の美女」の舞台になったユッセ城は、もともと要塞として11世紀に築かれたもので、15世紀、シャルル7世の重臣であり、百年戦争で活躍したピュイエ伯が要塞を改築し、その後住居棟が増築されました。

シノン城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷シノン城は、フランスとイングランドが争った百年戦争末期、フランスを勝利へ導いたジャンヌ・ダルクが、後の国王シャルル7世に謁見した場所で、シノン城=ジャンヌ・ダルクと言えるほど、ジャンヌ・ダルクに溢れた城となっています。

 ブロワ城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

ロワール河畔の高台にあるブロワ城は、中世都市ブロワにたたずむお城です。ジャンヌ・ダルクとも縁のある場所で、1429年にジャンヌが、イギリスへ向け軍を出発させる前に、ランス大司教から祝福を受けたのが、このブロワ城でした。

アゼ・ル・リドー城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

ロワール渓谷の数ある古城の中でも、最も美しく、高い人気を誇っているのがアゼ・ル・リドー城です。ロワール川の支流アンドル川のほとりに建つアゼ・ル・リドー城は、城館としては小さいながらも、フランス・ルネッサンス様式を持つ美しい城です。

アンボワーズ城

アンボワーズ城は、ロワール川を見下ろす丘の麓に建っています。アンボワーズ城の起源は古く、ガリア・ローマ時代に築かれた砦が始まりとされています。やがて、アンボワーズ家が所有すると約400年の間拡張され続けました。

シュヴェルニー城

シュヴェルニー城は、狩猟場として有名なソローニュの森のはずれにあり、近くにはシャンボール城やブロワ城もあります。左右対称の美しい外観を持つシュヴェルニー城は、ブーレ石という年月を重ねるごとに白さが増すという石材が使われており、現在もその美しさを保持し続けています。

シュノンソー城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

フランスの代表的な城郭のひとつといわれるシュノンソー城は、水辺に佇む白い城館が、羽を休める白鳥に例えられるほど美しく、また独特な造りからヴェルサイユ宮殿に次ぐ人気の城となっています。

ヴィランドリー城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

アンドル・エ・ロワールにあるヴィランドリー城は、左右対称の造りが素晴らしい城です。ヴィランドリー城は、16世紀フランソワ1世の財務大臣だったジャン・ル・ブルトンによって建設されました。ヴィランドリー城の最大の見どころは、美しい庭園群にあります。装飾庭園、水の庭園、菜園など異なるテーマで造園がなされています。

ショーモン城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

ロワール川を見下ろす高台にあり美しい花々に囲まれた城が、ショーモン城です。白壁の外観を持つショーモン城は、もともとは10世紀ブロワ伯爵ユード1世が、アンジュー公フルク・ネラの攻撃からブロワの街を守るために築いた要塞でした。

アンジェ城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

photo credit: castle walls via photopin (license)

アンジェ城は、メーヌ・エ・ロワールの県庁所在地アンジェに建つ城です。ロワール渓谷沿いには、華やかな城が数多く点在していますが、アンジェ城はこれらの城とは違い巨大な円塔が織りなす佇まいは、城というより要塞といった雰囲気を強く持ちます。

クロ・リュセ城

クロ・リュセ城は、レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯最後の3年間を過ごした城として有名です。別名「クルーの館」とも呼ばれるクロ・リュセ城は、アンボワーズ城のそばに建っています。現在、クロ・リュセ城は「レオナルド・ダ・ヴィンチパーク」になっています。

シュリー=シュル=ロワール城

ロワール渓谷東部に位置するシュリー=シュル=ロワールは、3つの陸路と1つの水路が交わる交易の要所で、ロワール川を渡ることができる貴重な街でした。その街を統治するために建てられたのがシュリー=シュル=ロワール城でした。

ソミュール城

【世界遺産】シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

ロワール川を見下ろす小高い丘に建つソミュール城は、11世紀末にアンジュー伯が創建した要塞が起源といわれています。その後、ルイ9世の所有となると城として改修されます。14世紀には、シャルル5世によって改修され、現在のような姿となりました。

ロッシュ城

ロッシュ城はフランスの歴史において重要な場所として有名です。また、眺望が素晴らしいことでも有名です。主塔の砲台、砦、城のテラスからは、ロッシュの町並みやアンドル河畔が一望できます。ロッシュ城は、フランスの歴史を肌で感じることができる貴重な場所です。

ランジェ城

ロワール最古の主塔を持つランジェ城は、ロワール川沿いにある小さな城下町ランジェにあります。ランジェ城は、10世紀後半アンジューク伯フルク・ネラが建てた塔と15世紀ルイ11世が建てた城で構成されており、中でもフルク・ネラが建てた主塔は、ロワール最古の主塔といわれています。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷
フランス
登録区分 世界文化遺産
登録年

2000年

キーワード

タイトルとURLをコピーする

 

あわせて行きたい世界遺産

 

コメントを書く

  1. 匿名 より:

    夢の中でもいいから一度は行って見たい

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です