「天地の中央」にある登封の史跡群
中国の河南省には、古くより「仏教」や「道教」などにおいて信仰を集めてきた嵩山(すうざん)と呼ばれる山が存在しています。そのように、宗教的に重要な役割を担ってきただけあって、嵩山には、「太室闕(たいしつけつ)」や「少林寺」に代表されるような長い歴史を誇る各種の建造物群が残されています。
こうした歴史的に価値の高い建造物群は、文化遺産としての価値を認められ、2010年に世界遺産として登録されました。
この世界遺産の登録名称は、「天地の中央」にある登封の史跡群となっており、これは、史跡群が主に登封に点在していることがその理由となっています。また、「天地の中央」という呼び名は、かつての中国思想に基づいており、「中原」の事を指しています。
かつての中国では、同国は天地の中心にあると考えられていましたが、その中でも、中原の地がその中核をなす場所であると捉えられていたためであると言われています。