古代都市テオティワカン
古代都市テオティワカンはメキシコシティ北東約50キロに位置していている世界遺産です。ここには、メソアメリカ先住民が建造した、世界で3番目に大きいピラミッドといわれる太陽のピラミッドや月のピラミッド、ケツアルコアトル神殿などの、巨大な宗教的建造物から構成されています。
テオティワカン文明の中心となったこの巨大な都市テオティワカンは、紀元前2世紀から6世紀までの間だけ存在した、当時のアメリカ大陸では最大規模を誇った宗教都市。突然文明が滅びて放棄されていたこの都市を14世紀に発見したアステカの人々は、あまりのスケールの大きさに人の手による建造物だとは信じられず、「神が集う場所」という意味を持つテオティワカンという名をつけました。
テオティワカンは極めて計画的に設計された都市であり、遺跡からは多数の殉教者や生け贄を捧げる風習が存在した痕跡は発見されていますが、古代メソアメリカにおいて死ぬことは終わりではなく、常に生と死がつながりあって回転しているという古代人の祈りや宇宙観、宗教観を、現代に圧倒的な美しさで伝えています。