ペルシャ式庭園

イスラム圏には、美しさに定評がある数々の庭園があります。イラン各地にある「ペルシャ式庭園」のうち、9つが世界遺産に指定されています。

ペルシャ式庭園は、乾燥地帯であるイランの厳しい自然環境の中、その土地に適合し発展させてきたペルシャ人の多様性や技術力の高さを示しています。

庭園は、紀元前6世紀のアケメネス朝ペルシアの初代皇帝キュロス2世の時代の建築、造園様式が起源といわれています。

「ペルシャ式庭園」主要スポット

ペルシャ式庭園の特徴として、庭園内に、水路が張り巡らされていることがあげられます。これは、猛暑や砂嵐などを忘れさせる、理想的で快適な場所を造ることを目指して造園されているためです。このような庭園を古代ペルシャ語では、「パイリダエーザ」と言うそうですが、これが、パラダイスの語源とも言われています。

厳しい自然、風土にも関わらず、豊かな水が潤す庭園の風景は、まさに「パラダイス」でしょう。庭園の美しさで定評のある、アルハンブラ宮殿タージマハルも、このペルシャ式庭園の影響を大きく受けたものとして知られています。

エラム庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: dynamosquito Eram via photopin (license)

エラム庭園は、首都テヘランの南に位置するファールス州の州都シーラーズにあります。バラが咲き誇るエラム庭園は、イランのパラダイスとも呼ばれるほど美しい庭園です。庭園内には、ガージャール朝時代の傑作と称されるエラム宮殿があります。

チェヘル・ソトゥーン庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: girolame Ispahan, Iran via photopin (license)

チェヘル・ソトゥーン庭園は、「イランの真珠」と謳われる古都エスファハーンにあります。エスファハーンには、同じくイランの世界文化遺産である「エスファハーンのイマーム広場」があります。

チェヘル・ソトゥーン庭園は、サファヴィー朝時代を代表する宮廷庭園で、アッバース1世の命により造営され、1643年に完成しました。チェヘル・ソトゥーンとは、「四十の柱」という意味です。

フィーン庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: blondinrikard Fin Garden, Kashan via photopin (license)

イランの首都テヘランの南西にある小さな町カーシャーンにフィーン庭園はあります。庭園に入ると、正面中央に離宮があり、離宮へ続く水路の両脇には糸杉の並木が立っています。この離宮を中心に水路が4方向に延びており、典型的なペルシャ式庭園となっています。

ドーラト・アーバード庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: reibai Dolatabad house via photopin (license)

イランのほぼ中央に位置するヤスドに、ドーラト・アーバード庭園はあります。ヤスドに、最初に訪れた西洋人旅行者がマルコ・ポーロといわれています。庭園の最大の見どころが、バードギール(風採り塔)です。18世紀半ばに造られたこの塔は、高さ33・8mあり、ヤスドの町にあるバードギールの中で最も高いといわれています。

パサルガダエ庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: blondinrikard Pasargadae via photopin (license)

イラン・ファールス州にあるパサルガダエ庭園は、2004年に世界文化遺産に登録された「パサルガダエ」の庭園です。紀元前6世紀ハカーマニシュ朝時代に造営された庭園は、「ペルシャ式庭園」の中で最古の庭園といわれています。

シャーザデー庭園

【世界遺産】ペルシャ式庭園

photo credit: Ninara Kerman 071 via photopin (license)

シャーザデー庭園は、イラン東部ケルマーンス州マーハーンにあります。イランの独自性と美しさが融合した庭園で、イランで最も美しい庭園と称されています。シャーザデー庭園は、イラン国内だけでなく、海外からも多くの観光客が訪れる人気スポットです。砂漠地帯に突如現れる美しい緑と水の庭園に多くの人が魅了され続けています。

ギャラリー

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称ペルシャ式庭園
イラン
登録区分 世界文化遺産
登録年

2011年

キーワード

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