スイスの活発な地殻変動地域サルドナ
「スイスの活発な地殻変動地域サルドナ」はスイス東部アルプス山脈山中にある巨大な衝上断層、グラールス衝上断層です。2008年に自然遺産に登録されました。
衝上断層とは、上位の地層が下位の地層に対して緩い角度でずり上がった断層のことで、この衝上断層に沿って、ヘルヴェティックナップが、北側のアアル地塊とインフラ・ヘルヴェティック複合体の上に100km以上にわたってせり上がっています。
この種類の衝上断層は世界各地の山脈では決して珍しいわけではないのですが、その観察のしやすい環境による長年の造山運動の研究史における大きな役割も評価されての遺産登録となっています。
周囲には起伏に富んだ地形が広がり、グラールス衝上断層は水平方向に発達しているために、グラールス州、ザンクト・ガレン州・グラウビュンデン州の広範囲に露出しています。