スヴェシュタリのトラキア人の墳墓はブルガリア北東部に位置する紀元前3世紀頃に建設されたトラキア人王族の墓古代墓地です。1982年に小さい丘から発見されましたが、当時のトラキア人の宗教建築の基本的な構造原理を伝えてくれる遺構となっています。1985年に世界遺産に登録されました。
墳墓の内部には、多彩色の半人半植物女人像の柱、彩色された壁画、「カリアティード」と呼ばれる彫像が残されている他、直径70m、高さ12mの墳墓があり、石棺が配置されていた玄室と2つの小部屋から構成されています。また供物として5頭の馬、1匹の豚、1匹の犬の骨、陶器、矢、青銅製の彫像、金製のイアリングなどが発掘されました。
この墳墓には30-35歳の男性、そしてその男性より若い女性が埋葬されたと考えられています。トラキア文明の遺跡は数少ないため、古代の地理学者が言うところの、ヘレニズム世界やヒュペルボレイオスの世界に出会ったトラキアの一種族ゲタイ人の文化を伝える貴重な例証となっています。