キルギスの世界遺産であるスライマン=トー(スレイマン=トー)は、キルギス第二の都市オシ近郊にある山です。同市はシルクロードの中継地として東西をつないだ要衝で、オアシス都市として繁栄しました。
山の名前は「スライマーンの山」の意味で、預言者のスライマーンが逗留したとされる伝説に従って18世紀に名づけられました。
かつては、イスラーム伝播以前からの伝統的な信仰にとっても、ムスリムにとっても重要な巡礼地となっていました。この山はいまなお地元のムスリムたちの崇拝の対象となっており、モスクのある最高峰への階段が設置されています。
そのモスクは1510年に建設されたもので、20世紀に大規模な修復をほどこされたものです。この山の信仰の歴史は古く、新石器時代に遡る線刻画などが刻まれた礼拝所なども残っています。