「ストラスブールのグラン・ディルとノイシュタット」は北フランスにあり、ドイツと隣接しているストラスブールを対象とした世界遺産。もともと1988年に「ストラスブールのグラン・ディル」としてグラン・ディル(旧市街)が登録の対象でしたが、2017年にノイシュタット(新市街)までその範囲が拡大し、「ストラスブールのグラン・ディルとノイシュタット」に変更されました。
ストラスブールのグラン・ディル(旧市街)
グラン・ディルは古代ローマ軍の駐屯地を起源とする旧市街です。フランスとドイツの文化や芸術の交流の場ともなり、12世紀にパリ近郊で誕生したゴシック様式はこの都市からドイツへと広がっていきました。
ストラスブール市内にはイル川が流れており、この川は途中で2本に別れます。市外へ出る前に再び合流するのですが、市内の一部はこの2つの川に挟まれ孤立した島のような状態になるので、大きな島とい意味のグラン・ディルという名前になりました。
ノートル・ダム大聖堂(ストラスブール大聖堂)
グラン・ディルにはストラスブールの象徴、ノートルダム大聖堂があります。260年の時間をかけて建設され、精巧な天文時計が有名な大聖堂です。
ストラスブールを訪れたゲーテは、旧市街にそびえる大聖堂を仰ぎ、圧倒的な高さとひしめく彫刻群、ゴシック建築の美しさを絶賛しました。大聖堂には建造当初のロマネスク様式も一部に残っています。
ノートルダム大聖堂というのは「私達の貴婦人」という意味で、聖母マリアを指していて、数々のノートルダム大聖堂が存在しています。おそらく日本人がノートルダム大聖堂と聞くと、パリのセーヌ河岸にあるのを想像するのではないでしょうか。
プティット・フランス
プティット・フランスは、ストラスブールの古い町並みが最も良く保存されている地区で、美しく飾られた半木造のハーフティンバー様式の家屋が建ち並んでいます。イル川が細かく分岐して入り組んでいるのも特徴です。
ストラスブールのノイシュタット(新市街)
ノイシュタットはストラスブールがドイツ領だった普仏戦争から第一次世界大戦までの時期に形成された地区。レピュブリック広場周辺のカイザープラッツ、カイザー・ヴィルヘルム等を含むエリアが拡大されました。