学生「ガイドさん、世界遺産で人工的な美しさと自然の美しさを象徴する場所って、どこが思い浮かびますか?」
ガイド「そうですね。例えば、タージ・マハルとグレート・バリア・リーフが挙げられます。どちらも世界的に有名でありながら、美しさの種類が全く異なります。」
学生「タージ・マハルはムガル帝国の皇帝が亡くなった王妃のために建てたんですよね。白い大理石が朝日や夕日に照らされて色が変わるのが幻想的で、一つの建物に込められた愛の深さを感じます。」
ガイド「その通りです。タージ・マハルは完璧な対称性と細部までこだわった装飾が特徴で、まさに人間が生み出した最高の建築美の象徴です。それに対して、グレート・バリア・リーフは何百万年もの時間をかけて形成された、壮大な自然の芸術ですね。」
学生「グレート・バリア・リーフは世界最大のサンゴ礁なんですよね?魚やウミガメ、クジラなんかも暮らしているって聞きました。」
ガイド「そうです。約2,300キロにもわたる広大なサンゴ礁で、多様な海洋生物が生息しています。タージ・マハルが人間の手による完璧な造形美を誇るなら、グレート・バリア・リーフは自然が偶然と時間の積み重ねで作り上げた奇跡の景観です。」
学生「どちらも美しさの極みですが、成り立ちが全く違いますね。タージ・マハルは緻密に設計された人工美、グレート・バリア・リーフは自然の偶然が生み出した調和の美しさ。」
ガイド「そうですね。そして、どちらも私たちが守るべき貴重な世界遺産です。タージ・マハルは大気汚染による大理石の変色が問題になっていますし、グレート・バリア・リーフは気候変動の影響でサンゴの白化が進んでいます。」
学生「どんなに美しいものも、放っておいたら失われてしまうんですね。だからこそ、世界遺産について学んで、未来へ残す努力をすることが大切なんだと感じました。」
ガイド「その意識がとても大切です。さて、次の旅は人工美と自然美、どちらを見に行きますか?」
学生「どっちも魅力的で迷いますね(笑)。」