学生「アルベロベッロって、白い壁と円錐形の屋根の家が並んでる町ですよね?どんなところなんですか?」
ガイド「そうですね。アルベロベッロはイタリア南部のプーリア州にある世界遺産で、トゥルッリ(Trulli)と呼ばれる伝統的な石造りの家が特徴です。白い漆喰の壁と、積み上げられた円錐形の石の屋根が独特の雰囲気を醸し出しています。」
学生「写真で見たことがあります!屋根にはシンボルみたいなマークが描かれていて、まるでおとぎ話の世界みたいですね。」
ガイド「そうですね。もともとは17世紀に税金対策として建てられた簡易住居だったんですが、今では観光名所として世界中から人が訪れます。」
学生「なるほど。日本にも、こういうユニークな屋根の伝統的な家屋ってあるんでしょうか?」
ガイド「ありますよ。日本の世界遺産のひとつ、岐阜県の白川郷や富山県の五箇山に残る合掌造りの集落が、アルベロベッロと似た点が多いですね。」
学生「ああ、あの三角形の茅葺き屋根の家が並ぶ集落ですね!冬になると雪景色がすごくきれいで、有名ですよね。」
ガイド「その通りです。白川郷の合掌造りは、豪雪地帯に適応した建築様式で、急勾配の茅葺き屋根が特徴です。雪が積もっても自然に滑り落ちるような設計になっています。」
学生「トゥルッリと合掌造り、それぞれ気候に合わせた工夫がされているんですね。でも、作り方は結構違いそうです。」
ガイド「そうですね。トゥルッリは石を積み上げるドライストーン構造で、モルタルを使わずに建てられています。一方、合掌造りは木材と茅を使い、釘を使わずに組み立てる伝統的な工法が特徴です。」
学生「素材も建築方法も違うけど、どちらも昔の人の知恵が詰まった住まいなんですね。」
ガイド「ええ。さらに、建築の目的も異なります。トゥルッリはもともと課税逃れのために作られた簡易住居でしたが、合掌造りは養蚕業を支える住居でした。屋根裏で蚕を育てるために、広い屋根裏スペースが確保されています。」
学生「なるほど!建物の背景にある歴史や暮らしの違いも面白いですね。」
ガイド「どちらも世界遺産に登録されており、今も保存活動が行われています。実際に訪れると、それぞれの文化や生活の工夫をより深く感じられますよ。」
学生「ますます行ってみたくなりました!イタリアと日本、全然違う国だけど、伝統的な建築を通して共通点や違いを楽しめそうですね。」
ガイド「ぜひ、どちらも訪れて、実際にその魅力を体験してみてください。」