1981年世界遺産に登録されたシュパイヤー大聖堂は、ドイツのシュパイヤーにあり、正式名称は「聖マリア・聖ステパノ大聖堂」と言います。
世界最大のロマネスク様式の建物としても知られるシュパイヤー大聖堂は、「シュパイヤーの皇帝大聖堂」と呼ばれることもあります。
シュパイヤー大聖堂の歴史
シュパイヤー大聖堂は、神聖ローマ皇帝コンラート2世の命により、皇帝自身の墓所として1030年から1061年にかけて建設されました。コンラート2世だけでなく、後の神聖ローマ皇帝やドイツ王、その妻たちも埋葬されました。
1689年にルイ14世の配下によって焼かれ、修復しますが、1794年にまたもフランス軍によって焼き討ちされてしまいます。その後、バイエルン王ルートヴィヒ1世が出資し、再修復が行われました。
1900年には発掘が実行され、墓所が発見されました。棺を修復し再び地下聖堂へ安置し、現在では一般公開されています。
1961年には創建当時の姿に戻す工事が行われ、現在に至ります。
シュパイヤー大聖堂の構造
シュパイヤー大聖堂は、4本の塔と3列の側廊にアーチ型の天井を持つバシリカ式聖堂で、ドイツ・ロマネスクの先駆けとなった建築物です。純粋なロマネスク様式を現在に伝えている世界最大級のものといわれています。
平面図ではラテン十字の形をしており、聖堂の全長は134m、身廊の幅は37.62mあります。
地下聖堂(クリプタ)
ドイツ最大の地下聖堂(クリプタ)も有名で、東西35m、南北46mの規模があります。ここに歴代の神聖ローマ皇帝や妻たちが眠っています。
西のファサード前には「大聖堂の水盤」があり、新しい司教は水盤をワインで満たし、市民に提供しました。市民は司教の健康を願ってワインを飲みほしたそうです。
毎春、大聖堂の前で「大聖堂ワイン祭」が開かれます。地元のワイン生産者が自分のワインを紹介するもので、とてもにぎわうそうですよ。ワイン好きの方は見逃せませんね。