ポルトガルの首都として知られているリスボンの近郊には、「シントラ」という街があります。シントラは、12世紀に、「レコンキスタ(国土回復運動)」を完了しており、14世紀頃には、ポルトガル王室の避暑地になっていたと言われています。そうした歴史を有するシントラには、レコンキスタの名残を見せるイスラム建築なども残されており、独特の景観を形成しています。現在では、この地に残されている建造物を含めた街の景観自体が、「シントラの文化的景観」として世界遺産に認定されています。
シントラに残されている建造物の中でも、「シントラ宮殿」や「ペナ宮殿」などは、特に有名なものとなっています。
シントラ宮殿
シントラ宮殿は、王家の夏の離宮であり、ポルトガル王家の美の結晶です。イスラム教徒が残した建物にディニス王が手を加え整備すると、その後、ジョアン1世(エンリケ航海王子の父)が増改築し、基礎を築きました。
ペナ宮殿
シントラの街を一望する標高528mの山の頂上に建つペナ宮殿は、赤や黄色、青色などの色鮮やかな建物からなる宮殿。 ペナ宮殿は、多くの木々に囲まれているため、木々の緑が建物の人工美を際立たせています。