シミエン国立公園は、エチオピア北部に位置している国立の自然公園。この国立公園は、1978年に世界遺産として登録され、最初に登録された12件のうちの一つになります。その後1996年には園内を横切る道路の開発や違法放牧・野生動物の減少などが理由となり「危機遺産」として登録されましたが、影響の少ない代替道路の建設や放牧の管理計画が評価され、2017年には危機遺産リストから外れました。
シミエン国立公園
シミエン国立公園の標高は高めとなっており、公園として指定されている区域内には、高山や峡谷なども存在しています。また、そうした環境ゆえに、貴重な動植物が多数生息しており、この地特有の生態系が営まれていることでも有名です。
シミエン国立公園に生息する動植物の中でも、特に貴重だと考えられ保護の重要性が訴えられているのが高地ヤギの「ワリアアイベックス」です。
また、同種がこの地において生息しているという事実は、かつてアフリカ大陸とヨーロッパ大陸とが繋がっていたということの証明にもなり、そうした視点から考えてもワリアアイベックスは貴重な存在だと言われています。