2001年ロシアの世界遺産「中央シホテ・アリン」が登録され、2018年にはその範囲が変更され「ビキン川渓谷」になりました。
ビキン川渓谷(中央シホテ・アリン)
中央シホテ・アリンは、ロシア連邦・極東連邦管区の沿海地方からハバロフスク地方に位置し、ロシアの太平洋側の港・ウラジオストクの北東から日本海沿いに900kmにかけて伸びる高い山脈です。
世界遺産に登録されたのは、タイガ(針葉樹林地帯)と亜熱帯林の混交林で覆われた1万5491km2のシホテ・アリン自然保護区(動物保護区)など2つの自然保護区を含んでいます。
この地は古くからツングース系民族が多く活躍した土地で、粛慎や靺鞨などの民族がウスリー川の東で活動していたことが中国の歴史書に記され、彼らツングース系民族の建てた国家・渤海の東端はこの山脈の西半分にまで達していました。
ただし満州の平原部に比べるとシホテアリニ山脈のツングースは国家を建てたりせず、狩猟生活をして満州族や中国人、ロシア人と交易しながら暮らしていたとみられています。
シホテアリニ山脈は世界中でももっとも豊かでもっともユニークな温帯林を含んでいるため、るトナカイやヒグマたちと、元来熱帯の動物であったアムールトラやアムールヒョウ、ツキノワグマなどが共存しています。
範囲変更
2018年バーレーンの首都マナーマで開催された第42回世界遺産委員会において、「中央シホテ・アリン」(2001年登録)の範囲が拡大され、「ビキン川渓谷」になりました。今回の範囲拡大で約40万haから約116万haに範囲が変更されました。