シューシュタルの歴史的水利施設
イランのシューシュタルには、現在でも使われている歴史的な水利施設があります。創設は、3世紀、ササン朝ペルシャ時代に遡ります。水力は、貴重な自然動力源として、様々な工夫で利用されてきました。この水利施設は、国内で最長のカールーン川の流れを町中に。池や渓流、多くの滝があり、まるで自然の風景のよう。
しかし、これらは、大がかりな土木工事によって造成されたものなのです。こんな大がかりな土木工事が3世紀に行われたとは、本当に驚きです。川のカーブを利用して効果的にダムを建設。高い位置に貯水池を造り、岩盤を掘って造られた幾つもの水路へと流す、という工夫がされています。
水路の途中に水車が多数、設置し、1日に14トンもの粉を挽(ひ)くのだそう。この製粉業によりシューシュタルの町は大きな発展を遂げてきました。
近代には、この流れは水力発電に利用され、1970年代初頭まで、国内で2番目の電力量を供給し続けてきました。その昔、城に地下水路を廻らすことで、心地良い空間作りにも一役かっていたのだそうです。現在では冷房として使われることはありませんが、農業用水として広く活用されています。