スウェルの鉱山都市
スウェルは、南米チリにある、定住者のいなくなった鉱山都市で、2006年にスウェルの鉱山都市として世界遺産に登録されました。チリは世界一の銅の産出量を誇り、その礎となったのがアメリカ資本であるブラデン・カッパー社が築いた銅の町です。1915年には同社の初代社長であるバートン・スウェルにちなんで、町の名前をスウェルとしました。
スウェルはアンデス山脈の中腹に位置する、世界最大の地下鉱山で栄えた町です。アメリカの鉱山技師がこの地に地下鉱脈を発見。やがて大規模な資本と最新の技術が導入され開発が行われました。銅の採掘と加工のため、地元の労働力が集められ、世界各地の辺境に建設された鉱山都市の顕著な例となっています。
スウェルは斜面に築かれているため、『階段の町』としても知られています。通りに並ぶ木造建築物は、鮮やかな緑、黄、赤、青で彩られています。1950年代の人口は15000人にも上り、鉱山にはアメリカンスタイルの住宅も造られました。その住宅は、アメリカ人が暮らすA,チリ人の労働者が暮らすBとCの3つのランクに別れていました。しかし1970年には大部分が廃墟となってしまいました。
その後チリ政府は、1998年にスウェルを国定史跡とします。