韓国の世界遺産である石窟庵と仏国寺は、8世紀ごろの景徳王の時代、宰相の金大城によって慶州市南部に建立されました。同く世界遺産に登録されている慶州には、紀元前1世紀頃に始まり10世紀に滅亡した王朝、新羅の都が置かれていました。
仏教の経典である法華経に基づいて作られた仏国寺は釈迦の国を、人工の洞窟を作って円形の主室の中央に祭られた高さ350cmの石窟庵の仏像は絶対的な悟りを得た瞬間の微笑を再現しています。
新羅の人々は、目に見えない宗教の世界を独特な建築技術と美しい彫刻品で形象化することで、理想の世界を現実の世界に造りだしたのです。
石窟庵
石窟庵は、東向きに作られており、日の出、月の出の名所でもあります。制作者については謎が多く、同時代の仏像彫刻に比べて遥かに精緻でありる新羅仏教芸術の最高傑作と呼ばれる如来座像がおさめられています。
仏国寺
仏国寺は、統一新羅の宰相であった金大城が751年に造営を開始しました。同時に造営を開始した石窟庵が前世の父母のためであったのに対し、仏国寺は、現世の父母のために建立されたといわれています。