サンティアゴ・デ・コンポステーラはスペイン北部のガリシア州の州都で、その旧市街が世界遺産に登録されています。
ヨーロッパ各地からの巡礼路の終着点で、エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地の1つでもあります。
ここへの巡礼路はサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路として世界遺産に登録されています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの歴史
9世紀に、ここでキリストの12使徒のひとり聖ヤコブの墓が見つかりました。当時スペイン地方はイスラム教勢力からの領土回復(レコンキスタ)の真っ最中で、このことはキリスト教勢力を非常に勢いづけたといいます。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂
旧市街の中心にオブラドイロ広場があり、それに面して造られたのが、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂です。元々は聖ヤコブの墓を祀るための教会が建てられていましたが、レコンキスタの最中に破壊されてしまいました。そのため、11世紀にカスティージャ王アルフォンソ6世の命により、大聖堂が建設されたのです。
大聖堂は11世紀のロマネスク様式で建てられた後、改修と増築を重ねた結果、18世紀に現在の姿となりましたが、外観はほぼバロック様式になりました。1750年に造られたファサードは、建築家フェルナンド・デ・カサス・イ・ノボアによるもので、スペイン・バロックの傑作との呼び声が高いものです。
地下礼拝堂には聖ヤコブの銀の棺があり、中に遺骸があるとのことで、巡礼者が絶えません。
ここで有名なのが、ミサの時にに香炉を振り回す儀式です。これは、遠くからはるばるやって来た巡礼者たちはろくに風呂に入ることもできなかったため、そのにおいを消すために始まったともいわれています。
旧王立施療院(パラドール)
大聖堂の隣には、旧王立施療院が建てられました。今は5つ星の国営ホテルとなっています。このホテルは施療院としてのマインドを受け継いでおり、先着10人に無料で食事を提供しています。
旧市街の街並みはすべて統一されており、石畳の道路になっています。修道院や教会が多く、ここが巡礼路の終着点であることを感じさせます。
大聖堂の香炉の儀式は、必ずしも毎日行われるわけではないようです。なので、見ることができたらラッキーですね。
毎年7月25日は聖ヤコブの日とされていて、盛大な祭りが催されるので、こちらも見どころのひとつです。