サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会
サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会は、フランスの中央部ヴィエンヌ県ポワトゥー・シャラント地方の都市サン=サヴァンにある、中世に建立されたロマネスク様式の教会で、保存状態の良好なロマネスク期の壁画36点が現存していることで知られている世界遺産です。
サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ教会の前身となったのは、811年にカール大帝が建設した修道院で、多くの戦乱の時代のなかで幾度も破壊と修復を繰り返してきた悲劇にたえて受け継がれてきました。フランス革命後の17世紀の修復時に塗りつぶされていた聖堂の壁を剥がす作業のなかでロマネスク様式の壁画が見事によみがえりました。1960年の聖堂修復作業の折には修復された壁画を見て感極まった文化相のアンドレ・マルローが、「フランス、ここに始まる!」と叫ぶほど、国民の信仰心のよりどころとなっている教会です。
サン・サヴァン・シュル・ガルダンプ教会最大の見どころである壁画の作者は明らかにされていませんが、ロマネスク芸術を代表すると称賛される美しさを誇っており、フランス国民が大切に守ってきた宗教画は、900年もの時を経て、今なお色褪せずに輝き続けています。