ローマ帝国の国境線は主にイギリスにある世界遺産。まず1987年にハドリアヌスの長城が登録。次に2005年、ドイツのリーメスであるローマ帝国の長城跡などが拡大登録されました。この時、現在の名称になりました。2008年にはスコットランドのアントニヌスの長城も含まれることになり現在に至ります。
ハドリアヌスの長城
皇帝ハドリアヌスの命で造られたのが、ハドリアヌスの長城。イングランドとスコットランドの国境線近くにあります。ローマ帝国に従わない北方民族を防ぐために造られ、完成当時は118kmある土塁でした。石垣で補強されたのはその後のようです。軍事上の防衛線として建設されたため、現在でも大きな影響があります。
リーメス(リメス)
ドイツのライン川からドナウ川まであるのがリーメス(リメス)。ラテン語で境界を意味し、主に長城、物見櫓、城砦の遺跡があります。ライン川やマイン川流域の肥えた土地と通商路を、ゲルマン民族から守るために建設されました。長城の総延長は約550kmですが、残っているのは全体の約27%ほどです。
アントニヌスの長城
アントニヌスの長城は、ハドリアヌスの長城の代わりとして建設されました。造られたのは142年から144年の2年間で全長は60km。ハドリアヌスの長城と比べると建築物や規模が明らかに劣っていますが、2年間で完成させたのはすごいですよね。
ローマ帝国の国境線
ローマ帝国の国境線は以下の4件が世界遺産に登録されています。
- ローマ帝国の国境線(イギリス・ドイツ)
- ローマ帝国の国境線 – ドナウ川のリーメス(西部分)(オーストリア・スロバキア・ドイツ)
- ローマ帝国の国境線 – 低地ゲルマニアのリーメス(ドイツ・オランダ)
- ローマ帝国の国境線 – ダキア(ルーマニア)