デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群
クトゥブ・ミナールはインドのデリーにある世界最高のミナレット(モスクに付属する塔)です。1200年ごろに奴隷王朝の建国者であるクトゥブッディーン・アイバクによって、クワットゥル・イスラーム・モスクに付属して建てられ、ヒンドゥー様式とイスラーム様式が混在した様式となっています。
おそらくヒンドゥー教・ジャイナ教の寺院などを破壊し、その石材を転用して制作されたものであり、建築に携わった職人もヒンドゥー教徒であったと推測されています。
クトゥブ・ミナールは世界で最も高いミナレットで、高さが72.5mあり、これでも地震や落雷などで先端が崩れた後に修復してあり、当初は100mほどの高さがあったとされています。直径は、基底部14.3mに対して先端部2.75mであり、文字どおりの尖塔となっています。
内部には378段の階段があり、以前は先端部まで上ることができましたが、1982年に照明が消えてパニックになった修学旅行中の少女たちが階段で折り重なって倒れ、十数名が死傷するという惨事が起きたため、内部への立入りは禁止されてしまいました。