ケベック歴史地区



ケベック歴史地区はカナダにある旧市街地。アッパータウンとロウワータウンに分かれているケベック歴史地区は、北米唯一の城郭都市として知られています。ケベックは17世紀初めにフランス人の入植者によって築かれました。そのためフランス様式の建物が多く残っています。

ケベックの歴史

ケベックのセント・ローレンス川の川岸に広がる歴史地区には、北アメリカをめぐる英仏植民地戦争の歴史が刻まれています。

16~18世紀のカナダは、フランスとイギリスによる植民地建設の舞台でした。1534年、セント・ローレンス湾一帯の領有を宣言したフランスは、1603年に探検家サミュエル・ド・シャンプランを派遣し、セント・ローレンス川流域の調査を開始。5年後、彼がこの川岸に毛皮交易のために建設したのが、フランス植民地「ヌーヴェル・フランス」の拠点となる街ケベックでした。

一方、北アメリカの東海岸で植民地建設を行っていたイギリスは、次第に内陸部に進出し、この地域の覇権をフランスと争うことになります。両国は、先住民諸部族と同盟を結び、彼らの軍事力を利用して各地で争いました。

ケベックに対するイギリスの最初の攻撃は1629年に行われました。この時街は一時的に占領され、1690年には30籍隻以上のイギリス艦隊に包囲されます。この結果、フランスは塔を付設した城壁で街を囲い、要塞都市としました。

北アメリカでの植民地戦争でイギリスの勝利を決定づけたのが、1759年の戦いです。この年の9月、イギリスは闇夜に乗じてセント・ローレンス川からケベック郊外のアブラハム平原に軍隊を上陸させました。

フランスはその陣容を見て驚き、急いで軍勢を繰り出すものの、統率がとれずに敗北しました。わずか15分で決着がついたこの戦いの後、ケベックは陥落しました。

4年後、ヨーロッパでの七年戦争が終結し、イギリスは覇者となり、パリ和平条約で、ヌーヴェル・フランスはイギリスに割譲されました。およそ150年で、カナダのフランス植民地時代は幕を閉じました。

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セント・ローレンス川とサン・シャルル川が合流する川沿いの土地を、先住民のアルゴンキン族は「水の合流点」を意味する「チェベケ」と呼んでいました。これが「ケベック」という名前の由来です。ケベックの旧市街は、崖の上の城壁に囲まれたアッパー・タウンと、崖下のロワー・タウンに分かれています。

ロウワー・タウン

シャンプランが初めて毛皮の交易所を建てた場所が、現在の「国王広場」で、そこを中心に街は発展しました。ここが現在のロウワー・タウンにあたる地域です。その後、街がヌーヴェル・フランスの首都として発展するに伴い、ここには多くの商人や職人、漁師が定住するようになり、商業地や住宅地として活況を見せたのでした。

勝利のノートル・ダム聖堂

ロワー・タウンの「国王広場」は、シャンプランが毛皮の交易所を開いた場所で、ケベック発祥の地です。ここには、ルイ14世の胸像とともに、石造りの小さな聖堂が建っています。聖母マリアと、パリの守護聖人ジュヌヴィエーヴを祀ったこの 聖堂は、1688年に創建されました。

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アッパー・タウン

一方、標高約100mの崖の上はアッパー・タウンと呼ばれ、政治や軍事の中止として発展しました。ケベック創設後の17世紀半ばに建てられたカトリックの聖堂や修道院も多くあります。

イギリスの植民地となっても、ケベックでフランス文化が失われることはなく、現在も英仏2か国語を公用語とするカナダで、唯一ケベック州はフランス語のみを公用語としています。ケベック市の住民も95%がフランス語を話し、『北米のフランス』を守り続けています。

シャトー・フロントナック

世界遺産・ケベック歴史地区 セント・ローレンス川やロワー・タウンを見下ろす高台のアッパー・タウンには、かつて歴代総督の邸宅が建っていました。現在ここにそびえるのが、シャトー・フロントナックです。
この古城風のホテルが建設されたのは1829年。手がけたのは、カナダ太平洋鉄道の総師であり、『鉄路の皇帝』の異名を持つウィリアム・ヴァン・ホーンです。

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シタデル

世界遺産・ケベック歴史地区21608年にヌーヴェル・フランスの拠点となったものの、絶えずイギリス軍に脅かされていたケベックでは、街を城壁で囲み、常にその防御を固めました。さらに、フランスは18世紀半ば、崖上の見晴のよい場所に、巨大なシタデル(城塞)を造る計画を立てました。

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ノートル・ダム大聖堂

1763年のパリ和平条約によって、イギリスが北アメリカのフランス植民地を獲得した頃、アメリカでは独立の気運が高まっていました。このためイギリスには、 反英感情を持つケベックの人々が、触発されて独立運動を起こすことを阻止する必要がありました。

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