中世市場都市プロヴァン
中世市場都市プロヴァンは、フランス北部シャンパーニュ地方、セーヌ=エ=マルヌ県の都市であるプロヴァンに広がる田園風景の中に、中世の時代を今に留める都市景観からなる世界遺産です。
バラを用いた製菓業などが盛んなことでも知られ、二重の扉で厳重に防護された門と城壁で囲まれたプロヴァンの町は、13世紀頃からイタリアと北ヨーロッパを結ぶ交通の要衝として発展し、その豊かさは首都パリをも凌駕する程でした。
プロヴァンでは国境を越えて多くの貿易商が交易をし、毛織物や貴金属、香辛料などが売買される市場が開催されましたが、商人たちからもたらされる膨大な財産を盗賊や他国の侵攻から守るために、堅固な城壁を張り巡らして都市を守ったのです。
プロヴァンはその後14世紀から急速に衰退していきますが、都市機能が集中しなかったことが幸いして、プロヴァンの都市景観には中世の面影がをそのままに残されており、中世市場都市プロヴァンが辿った盛衰の歴史を現代に伝えているのです。