プロイセン時代の18世紀のこと、フリードリヒ2世は、第二次世界大戦時にポツダム会談が行われたことでも知られているポツダムの地に、「サンスーシ宮殿」建設を命じました。それを皮切りにして、ポツダムとドイツの首都ベルリンに歴代のプロイセン王によって宮殿・庭園が次々と建てられていきました。
サンスーシ宮殿やツェツィーリエンホーフ宮殿など、歴史的にも重要な役割を担った宮殿が、同地に点在して残されています。これらの宮殿群は、ドイツが辿ってきたプロイセン時代の歴史を現代に伝える貴重な建造物なのです。
現在、これらの宮殿、および各宮殿に設置されている庭園は、「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」として世界遺産に認定されています。
「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」主要スポット
サンスーシ宮殿
サンスーシ宮殿とは、サンスーシ公園北東部に建つロココ建築の宮殿。「サンスーシ」とは、もともとフランス語で「憂いなし」を意味し、日本や中国では漢訳して「無憂宮」とも呼ぶことで知られています。
シャルロッテンホーフ宮殿
サンスーシ庭園内にあるシャルロッテンホーフ宮殿は1826年フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が、長男であるフリードリヒ・ヴィルヘルム皇子のために建造させた宮殿で、「庭園中の宮殿」の傑作と称えられています。
ツェツィーリエンホーフ宮殿
ポツダム会談が開かれた場所としても知られているツェツィーリエンホーフ宮殿は、1917年に当時のドイツ帝国皇太子であったヴィルヘルム・フォン・プロイセンのために、皇帝ヴィルヘルム2世が建てました。宮殿の名前は、皇太子妃ツェツィーリエにちなんでいます。
バーベルスベルク宮殿
ポツダム東部にあるバーベルスベルク宮殿は、1833年にフリードリヒ・ヴィルヘルム3世の命により建設された宮殿です。
ヴィルヘルム3世の次男であるヴィルヘルム皇子(後のドイツ皇帝ヴィルヘルム1世)の「イギリスのウィンザー城のような宮殿を」という要望に応えるべく、カール・フリードリヒ・シンケルが設計しました。
孔雀島
ベルリンとポツダムの中間であるハーフェル川に浮かぶ小島である「孔雀島」には、王家の避暑地ということもあり、宮殿の他庭園、教会、狩猟小屋などが建設されました。孔雀島には、今でも孔雀が残っており島中を闊歩しています。
シャルロッテンブルク宮殿
現在ベルリンに残る唯一のプロイセン時代の宮殿であるシャルロッテンブルク宮殿は、プロイセン初代国王フリードリヒ1世の命で建設された宮殿です。彼はルイ14世がヴェルサイユ宮殿で送ったような贅沢な生活を夢見ていました。その夢の実現への第1歩が、王妃ゾフィー・シャルロッテのために宮殿を建てることでした。