パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサンロレンソ
「パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサンロレンソ」は、パナマにあるユネスコの世界遺産で、パナマの世界遺産の中では最初に登録されたものです。
「美しい港」という意味をもつポルトベロに残る5つの要塞跡と、サンロレンソ要塞の遺構が登録対象となっています。
スペインの植民地だった時代のポルトベロは、銀の積出港として栄えた港町でした。当時はその経済的重要性から略奪行為などの標的になることもしばしばあり、港町の防衛施設群を整えることが要請されました。
17世紀前半に、湾の入り口に2つ(サン・フェリペ・トド・フィエロ要塞とサンティアゴ・デ・ラ・グロリア要塞)と湾内に2つ(サン・クリストバル要塞とサン・フェルナンド要塞)の要塞が配置され、さらに湾の最奥部の港町自体にもサン・ヘロニモ要塞が置かれました。
城壁や砲台などの資産は補強が必要で、風雨による浸食も進んでおり、世界遺産委員会は10年以上前から警告を発してきましたが、十分な保護の対策が採られていないことから2012年には危機遺産リスト入りすることになりました。