クロアチアのザグレブから南へ約110kmのところに位置するプリトヴィツェ湖群国立公園は、マラ・カペラ山脈斜面の南東端とリチカ・プレシェヴィツァ山脈の間にあり、エメラルドグリーンに輝く湖と滝が織りなす絶景が見られる公園です。
プリトヴィッツェ湖群国立公園とは?
琵琶湖の半分ぐらいもある公園内には大小合わせて16の湖と92ヶ所の滝を配しています。
プリトヴィッツェ川は森の中を縫うようにゆったりと流れ、全長134mのコナラ川との交流地点で滝となり二つの川が流れ込み湖を形成しています。
美しい湖群と滝が特徴のこの公園は、標高約640m~500mという高低差のある美しい湖群が、滝によって階段状に繋がっています。
湖畔と滝が特徴の公園内には1146種の植物が確認され、そのうち70種は特有種。山中には24種のランやモウセンゴケなど特有種の群生地もあります。また、野生の動物が生息し、クマや狼、カワウソをはじめ300種近い蝶や鷹などの鳥を見ることができます。
ハイキングコースは整備されており比較的緩やかなのでお子さん連れやご年配の方にも人気です。
1年中いつでも観光できますが、特に7、8月が見ごろで、秋は世界屈指の紅葉、冬の積雪の頃は滝が凍り美しい景色が望めます。
抜群の透明度を誇る湖群
公園一帯は1億3500万年~6600万年前に造られたカルスト地層で、石灰岩層を通り浄化され透明な水となり、綺麗な景観を創り出しています。
湖の底に白く見える石灰華は炭酸カルシウムが固まってできたもので、透明度が高い水をつくりだす要因の一つです。エメラルドグリーンの湖と白い水しぶきの滝や早瀬が織りなす躍動的な姿は壮観で見る価値ありです。
上湖群と下湖群
プリトヴィッツェ湖群国立公園は一般的に上湖群と下湖群に分けられます。
プリトヴィッツェ湖群国立公園の変遷
1979年に世界自然遺産に登録された雄大な自然美を見せる公園ですが、1991年3月にはクロアチア紛争の最初の武力衝突が起こったプリトヴィツェ湖群事件の舞台となりました。1995年8月に終結しましたが、この紛争に伴い、危機遺産リストに登録されました。
地雷の撤去やセルビア人分離独立派の占拠からも解放されていることから危機遺産リストから外され、現在はクロアチア最大の観光地となっています。2000年には世界遺産の登録範囲も100.2k㎡に拡大されています。