フィリピン・コルディリェーラの棚田群
フィリピン・コルディリェーラの棚田群は、フィリピンのルソン島北部の中央山岳地帯の主に東斜面に広がっている棚田地帯です。棚田の規模としては、世界最大ともいわれています。ここの景観は「天国への階段」とも呼ばれ、バナウエの谷を覆う棚田の泥壁や石垣をつなぎ合わせると長さ2万km、地球を半周にも相当します。
コルディリェーラスペイン語で山脈を意味していて、標高が1,000メートルを越える峰々が多数存在しています。この山域でもバギオという街は、避暑地として有名です。このバギオの東北にあるバナウェでは、大規模な棚田を見ることができます。また、バダットやボントックも大規模な棚田が広がっています。
フィリピン・コルディリェーラの棚田群はイフガオ族が地形的な制約を克服し、人間の生命活動を実証した見事な傑作として評価され、世界遺産に登録されましたが、村民の村離れによる後継者不足から放棄される棚田が増加し、水利システムの停止と崩壊をもたらし、畑への転作による景観の悪化、管理計画の不備などを理由に2001年、危機遺産リストに登録された経験があります。
しかし国内外の支援と、伝統技法による棚田保全が精力的に図られ、2012年に危機遺産リストからの削除を果たしました。
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