パリのセーヌ河岸

「パリのセーヌ河岸」は、フランスの首都パリを流れるセーヌ川の川岸のうち、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8kmほどが登録対象となっている世界遺産です。ここには有名なエッフェル塔やノートルダム大聖堂なども含まれています。

紀元前300年ごろ、セーヌ川を行くケルト人パリシイ族の舟人が、舟の形をしたシテ島を見つけ、上陸しました。これが、後に、「花の都」と呼ばれる国際都市、パリの歴史の始まりです。

やがてシテ島には王宮や大聖堂が造られてパリの心臓部となり、周辺を取り巻くセーヌ川はその動脈としてパリの街を育む続けます。

「パリのセーヌ河岸」の主要スポット

エッフェル塔

フランス革命の100周年を記念した1889年、パリで第4回万国博覧会が開かれました。その際建てられた電波塔兼展望台がエッフェル塔です。設計者は鉄骨の橋の専門家として知られる技師、ギュスタヴ・エッフェルで、彼の名にちなんでエッフェル塔という名前になりました。建設当時の高さは312.3mと、世界一高い建造物でした。

ノートルダム大聖堂

ディズニー映画「ノートルダムの鐘」の舞台にもなった、シテ島内南東にそびえるノートルダム大聖堂は、パリの歴史と切り離しては語ることができません。そもそも、大聖堂が建つ場所は、紀元前の昔から由緒正しい聖地でした。前300年にシテ島内に定住したケルト人のパリシイ族は、彼らの生活基盤である水上交易の基点として、川辺のこの場所に守護神の祭壇を建てました。

サント・シャペル

photo credit: Ste. Chapelle via photopin (license)

1248年に完成したサント・シャペルの2階にある王家の礼拝堂に足を踏み入れた途端、誰もが息を呑みます。そこにはそそり立つような細長い柱を挟んで15の窓が次々と連なり、壁面のほとんどが多彩色のステンドグラスで埋め尽くされているのです。 その上部には、満天の星空 をイメージした天井が浮かんでいます。

オルセー美術館

パリの街に初めて鉄道が開通したのは、1837年です。その後次々に駅が造られ、19世紀後半には駅舎の建築がブームとなりました。1900年にはブームの最後を華々しく飾るにふさわしい壮麗な空間としてオルセー駅が誕生しました。

ルーヴル美術館

世界中から年間600万人以上が押し寄せる ルーヴル美術館。ここで目を奪われるのは、所蔵品の絵画や彫刻だけではありません。訪れる人はまず、東西約700m、 南北約300mにわたる建物の壮大さに圧倒され、柱や彫像で装飾されたフランス・バロック様式建築の重厚さや、豪華な天井画に息をのみます。

オランジュリー美術館

パリのオランジュリー美術館はチュルリー公園内に建設された、19世紀にナポレオン3世が造った巨大なオレンジの温室を利用して作られた美術館です。1927年に印象派モネの作品を収めるために6年かけて大改装されました。

プティ・パレ

プティ・パレは1900年のパリ万国博覧会の際に美術展示場としてシャンゼリゼ大通りの端に建設された、新古典様式の美しく小さな宮殿。地下へと続く繊細な模様が施された手すりを持つ美しい螺旋状の階段や天井画やレリーフが配されたホールなどとても魅力的です。

グラン・パレ

1900年に行われたパリ万国博覧会のメイン会場として造られた建造物。シャルル・ジロー監督のもと、3人の建築家により1897年~1900年にかけて建築されました。高さ43mの鉄筋構造の丸屋根は当時の鉄骨とガラスの近代建築の見事さを感じることができます。

アレクサンドル3世橋

セーヌ川右岸のプティ・パレやグラン・パレと共に、1900年のパリ万国博覧会に際し建設されたセーヌ川に架かる橋。最後のロシア皇帝ニコライ2世が建設し、フランスとロシアの友好の証としてパリ市に寄贈されました。

コンコルド広場

近代フランス史を象徴するコンコルド広場。周囲に視界を遮る建物のない開放的な眺望が特徴です。中央にそそり 立つオベリスク(柱塔)や、フランス8 都市を表す8体の女神像、高く水を上げ る噴水に彩られた八角形の広場は、総面積8万4000m²にもなります。

アンヴァリッド

アンヴァリッドはセーヌ河左岸にあるルイ14世が傷痍軍人の受け入れ施設として造った建築物。17世紀の建設当時には廃兵院がなく、退役後の軍人が物乞いをしたり、強盗を働いたりと社会問題となり造られたといわれています。

ポン・ヌフ橋

1604年にアンリ4世の命により、セーヌ川に架けられたパリに現存する最も古い橋であるポン・ヌフ橋は、パリ発祥の地であるシテ島の先端にある2つの小さな橋の総称です。

パリ市庁舎

パリ市庁舎はパリ4区にあるネオ・ルネサンス様式とベル・エボック様式が混在する壮麗な建築物。1357年に建てられたネオ・ルネサンス様式の建物でしたが、1871年のパリ・コミューン事件で焼失しました。

コンシェルジュリー

photo credit: DSC09672 via photopin (license)

14世紀始めにフィリップ美貌王の王宮として建てられた、セーヌ川沿いに建つゴシック様式の建物。ボンベックの塔、銀の塔、シーザーの塔と呼ばれる3つの塔はカペー王朝時代の名残が見られます。左端の四角の塔の戸外に取り付けられた、パリ最古の公共時計も見ものです。

チュイルリー公園

西はシャンゼリゼ通り、東はルーヴル美術館まで、26ヘクタールもの広範囲に広がるチュイルリー公園。パリ市内最古の公園です。昔、瓦(チュイール)工場があった跡地に作られたことでこの名前が付きました。

カルーゼル凱旋門

photo credit: Paris via photopin (license)

ルーヴル宮の西のカルーゼル広場に佇む、ナポレオンが最初に建てた元祖凱旋門です。わずか2年で建てられたカルーゼル凱旋門は、高さ19m、3つのアーチとピンクや白など8本のバラ色の大理石の柱から構成され、優美な姿の門となっています。

シャンゼリゼ通り

凱旋門からコンコルド広場に至る全長1880mの大通り。パリの中でも最も華やかで世界一美しい通りといわれ、誰もが一度は歩いてみたいと思う憧れの通りです。

シャン・ド・マルス公園

 シャン・ド・マルス公園はエッフェル塔の足元から旧陸軍士学校(エコール・ミリテール)まで続く、1908年にオープンした左右対称の美しい公園。24.3ヘクタールある公園は、一面緑の芝生で敷き詰められ、公園から見上げるエッフェル塔はとても美しく聳えています。

マドレーヌ寺院

photo credit: La Madeleine via photopin (license)

パリのマドレーヌ寺院はアテネのパルテノン神殿を思わせる風格と力強さが魅力的な寺院です。コンコルド広場とパレ・ガルニエの間にあるパリの中心部に位置しています。

ブルボン宮殿

ブルボン宮殿はコンコルド橋を渡ってすぐのパリ左岸にある、古代ギリシャ風のコリント様式の宮殿。上院と下院の2院政が採用され、現在は国会議事堂(下院の国民議会議事堂)として使われています。

ポン・デ・ザール(芸術橋)


ポン・デ・ザール(芸術橋)は1804年にセーヌ川に架けられた、右岸のルーヴル宮と左岸のフランス学士院を結ぶパリ初の鉄製の橋。ナポレオン・ボナパルトの命令により1802年から1804年にかけて造られた9連のアーチの歩行者専用の橋です。

パレ・ド・ジュスティス

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パレ・ド・ジュスティスはパリ1区のシテ島に建つ、日本の最高裁判所にあたるフランス法曹界の最高峰となっています。サント・シャペルとコンシェルジュリーに挟まれるようにして聳え立ちシテ島の約3分の1を占めその堂々たる姿は勇壮です。

「パリのセーヌ河岸」の関連情報

ギャラリー

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称パリのセーヌ河岸
フランス
登録区分 世界文化遺産
登録年

1991年

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  1. おれ より:

    自由研究の助けになった

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