カディーシャ渓谷と神の杉の森
「カディーシャ渓谷と神の杉の森)はレバノンにある世界遺産で、レバノン北部に位置するレバノン山脈のカディーシャ渓谷は、この国の象徴として国旗にも描かれているレバノン杉が群生している場所です。
レバノン杉は耐久性に優れ、古くから建材や船材に用いられてきました。エルサレムの『ソロモン宮殿』や『アレクサンドロス大王の艦隊』などにも使われたといわれ、紀元前にレバノンを支配していたフェニキア人繁栄の基ともなりました。
しかし現在、レバノン杉は国全体で1,200本ほどしか残っておらず、そのうち375本、樹齢約1,200~2,000年の杉がガディーシャ渓谷の『神の杉の森』に自生しています。またガディーシャ渓谷には7世紀以降に東方正教会から独立した教会の修道院も点在しており『神の杉の森』とともに文化的景観を構成しています。