オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群
ヨーロッパ史としてみると、ローマ帝国が栄えていた時代に該当する、紀元前1世紀から後1世紀ごろ、ルーマニアの一帯にはダキア王国と呼ばれる古代王国が存在していたと言われています。ローマ帝国は、ダキア王国への侵攻も行い、最終的には、ダキア王国もローマ帝国の属州になってしまったそうです。
さて、ダキア王国が存在していたことを示す複数の遺跡が、現在でも、同国内のオラシュティエ山脈に残されています。この複数の遺跡群は、先述したような、ローマ帝国の侵攻への対策として、ダキア王国が建造した要塞と考えられており、自然環境をうまく活用しながら、居住区や工房などが設置されていたと言われています。そのため、この要塞群は、ダキア王国の文明や技術力の高さを証明するものとなっています。
オラシュティエ山脈に現在でも残るこの遺跡群は、文化遺産としての価値を認められて、1999年にオラシュティエ山脈のダキア人の要塞群として、世界遺産に登録されました。