エーランド島南部の農業景観
エーランド島南部の農業景観はスウェーデンのエーランド島にある文化的景観です。エーランド島は南北に細長くその大半は石灰岩に覆われた不毛の平原が広がっていますが、その高いpHレベルのおかげで多くの希少種を含む植生が見られます。この地形は島の4分の1以上にあたる260km²以上にわたって広がっており、島の南側に集中し、この種の地形としてはヨーロッパ最大級です。
その傑出した生物多様性と先史時代からの人類の苦闘の痕跡とが評価されています。石灰岩の平原は、もとは氷河によって形成され、エーランド島からはオウムガイの祖先に当たるオルトケラスの化石も発見されています。そんな不毛の土地で農業ができる土地は、海岸沿いにわずかしかありませんが、人々は、そこに根気強く草を植え、牧畜を営んできました。
16~18世紀につくられた数多くの歴史的な風車に混じり、住居跡やヴァイキングの墓が点在しています。5000年前の先史時代から現在までにいたる北国の農業の様子を今に残します。