ネムルト・ダウ
トルコの世界遺産であるネムルト・ダウは、アディヤマン近郊のキャフタから40km 北に位置するトルコ東部の標高2,134 mのネムルト山のことです。
ネムルト・ダウは19世紀後半にオスマン帝国軍が偶然山頂付近を行軍した際に、山頂部が人工的な建造物であったことが発見され、1881年にドイツ出身の技師カール・ゼシュターによって本格的な発掘調査が行われました。
ネムルト・ダウの山頂には、コンマゲネ王国の王アンティオコス1世が紀元前62年に建てた、王自身の座像を含む8-9mの巨大像が並ぶ巨大墳墓があるとされています。また、この墳墓には、「天の玉座の近くにあるこの峰を、神聖な安らぎの場と定めよう」と書かれた碑文が刻まれています。ただ現在でも埋葬施設が発見されていません。
この事から現在でも、宗教上の儀式を執り行う場として機能していたとする説と、王自身がそこに永眠することを望んだ墓所とする説とが対立していますが、結論は出ていません。
直径152 m、高さ49mの頂上部には、王の座像のほか、2羽の鷲、2頭のライオン、様々なギリシャ神話やペルシャ神話の神々の像などが並んでいます。