ナハル・メアロットは、イスラエルのバハーイー教の本部が置かれる場所として知られるカルメル山西側斜面にある渓谷で、人類の進化の研究上重要な4つの洞窟、タブーン、スフール、エル・ワド、ジャマルが残っています。
およそ50万年前からの進化の推移を伝える点や、ネアンデルタール人と現生人類の関わりを示す遺跡が存在する点などが評価されています。
2012年に世界遺産登録となった、比較的新しい文化遺産です。ネアンデルタール人女性の全身骨格や石器など多くの貴重な発掘がされています。またこれらの洞窟郡はイスラエル自然・公園局によって管理されています。
スフール洞窟とタブーン洞窟は、現生人類の起源とネアンデルタール人の運命に関連するヒトの遺物と加工品の存在によって、人類の進化のどの概説でも採り上げられており、エル・ワド洞窟は、食糧生産と定住生活の初期段階の痕跡によって、世界的に評価されています。
ジャマル洞窟では木製・石製の家財道具や皮革製品なども含めて、中期旧石器時代の物質文化の傑出した証拠が発見されました。