「ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)」は、ドイツの首都ベルリン市内を南北に流れるシュプレー川の中州のうち、ブランデンブルク門から東に伸びるウンター・デン・リンデン街を境とする北半分の地区ムゼウムスインゼルの、5つの博物館や美術館からなる世界遺産です。
「ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)」目次
ムゼウムスインゼル(博物館島)の歴史
ムゼウムスインゼル(博物館島)には、旧博物館・新博物館・旧国立美術館・ボーデ博物館・ペルガモン博物館があります。1830年に旧博物館が建設されたのを皮切りに、以降100年の間に博物館と美術館が建設されていきました。
1841年にフリードリヒ・ヴィルヘルム1世はこの一帯を「芸術と科学」に関する地域としています。ナチス政権下では、各美術館を結ぶ回廊が設置されました。
しかし、第2次世界大戦の戦火を逃れることはできず、大きなダメージを受けてしまいました。そして、ドイツが東西に分断されたため、コレクションも同様に散り散りになってしまいます。現在はそれらをすべて元に戻す計画が進められています。
ムゼウムスインゼルにある博物館 / 美術館
ムゼウムスインゼル(博物館島)には旧博物館・新博物館・旧国立美術館・ボーデ博物館・ペルガモン博物館という5つの博物館と美術館があります。
旧博物館
ムゼウムスインゼルの中でいちばん古いものです。1830年にカール・フリードリヒ・シンケルの設計により建設されました。今は存在しないベルリン王宮の向かい側に建てられたそうです。新古典主義様式の外観の美しさは高く評価されています。
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が蒐集したギリシャ・ローマの美術品を公開する目的がありました。現在も、豊富なアンティークコレクションで有名です。
新博物館
旧博物館の裏手にあり、1859年に建てられました。設計はアウグスト・シュテーラーです。彼は旧博物館を設計したシンケルの弟子に当たります。
第2次世界大戦により破壊されてしまいましたが、21世紀に入り復元されました。
エジプト美術や先史時代の展示が有名ですが、特に、古代エジプトの王妃ネフェルティティの胸像は世界的にも非常に注目される収蔵品です。
旧国立美術館(旧ナショナルギャラリー)
1876年にシュテーラーの設計により建設されました。銀行家ヨアヒム・ヴァグナーが自身の所蔵品である19世紀の美術品を寄贈しています。これはドイツ有数のコレクションと言われています。古典主義やドイツロマン主義、フランス印象派の美術品が展示されています。
ボーデ博物館
博物館島の北端に位置し、1904年にフリードリヒ博物館として開館しました。1956年に、初代キュレーターのヴィルヘルム・フォン・ボーデの名を取り現在の名前になりました。2006年に再開館し、膨大な彫刻コレクションとビザンティン美術の展示を主としています。彫刻は、イタリア・ゴシックや後期ドイツゴシック、18世紀のプロイセン・バロックのものなど多岐にわたります。
ペルガモン博物館
1930年に開館した最も新しい博物館で、一番の人気を誇っています。古代ローマや古代オリエント美術、古代から近世にかけての中東美術の展示が主です。最大の見どころは、小アジアの古代都市ペルガモンから移築した「ペルガモンの大祭壇」です。
これだけのコレクションを1日で見て回ることはほぼ不可能ですが、見たいものを絞っていくのも良いでしょうね。ミュージアムパスというお得なチケットも販売しているようなので、ぜひ参考にしてみてください。