百舌鳥・古市古墳群

概要
名称 百舌鳥・古市古墳群
日本
登録区分 世界文化遺産
登録年

2019年

百舌鳥・古市古墳群

2019年アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回世界遺産委員会において、大阪府の「 百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん) 」が世界文化遺産として登録されました。

「百舌鳥・古市古墳群」は大阪にとって初めての世界遺産登録で、大阪平野を見下ろす台地に広がる、古代日本の古墳群です。日本全国には約16万基もの古墳が存在しますが、その中から当時の高度な造墓技術や社会的地位の違いを色濃く残す49基が選ばれて世界遺産に登録されました。

3世紀から6世紀にかけて作られたこれらの古墳は、まだ中央集権国家が成立する前の日本において、王族や有力な豪族たちが築いたものです。当時の職人たちが粘土や石を積み上げて作り上げた土木技術の結晶であり、墳丘の周りに配置された埴輪(はにわ)や、内部に納められた武具・装飾品などの副葬品からは、当時の人々の暮らしや文化をうかがい知ることができます。

「百舌鳥・古市古墳群」の主な特徴と見どころ

  • 多彩な古墳の形
    上から見ると鍵穴のような形をした「前方後円墳」をはじめ、帆立貝のような形、四角形(方墳)、丸形(円墳)など、さまざまなデザインがあります。
  • 二つの古墳群
    巨大な古墳が集まる「百舌鳥古墳群(堺市)」と「古市古墳群(羽曳野市・藤井寺市)」の2つの地域で構成されています。
  • さまざまな埴輪
    円筒形のシンプルなものだけでなく、家、動物、道具、人物などをかたどった粘土細工(埴輪)が整然と並べられていました。
  • 二重・三重の堀
    古墳の周囲には水を入れた堀(濠)がめぐらされ、聖なる領域と下界を分ける役割を果たしていました。

仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)

最大の見どころである「仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)」は、墳丘の長さが約486メートルあります。これは一般的な陸上競技場のトラック(1周400メートル)を丸ごと包み込んでしまうほどの大きさで、敷地全体では甲子園球場が10個以上入るスケール感です。

実は、この仁徳天皇陵古墳は「世界で最も底面積が広いお墓」として知られており、エジプトのクフ王のピラミッドや、中国の秦始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の一つに数えられています。クフ王のピラミッドは高さで世界一ですが、上空から見た底面の広さや敷地のスケールでは、日本の仁徳天皇陵古墳が世界最大級の規模を誇ります。クフ王のピラミッドは石を積み上げて作られていますが、仁徳天皇陵古墳は膨大な量の土を人力で盛り上げて作られており、当時の土木工事にかかった莫大な労力と時間のすごさを現代に伝えています。

また、東アジアの古代国家形成や巨大建造物という観点では、中国の秦始皇帝陵及び兵馬俑坑や、韓国の慶州歴史地域にある新羅時代の王陵群とも歴史的な繋がりがあります。同じ時代のアジア各地で、王たちの権力を示すためにいかに巨大で精巧なお墓が造られていたかを比較してみると、当時の東アジア諸国における交流や技術の伝播がより身近に感じられます。

現代の百舌鳥・古市古墳群は、街の中に歴史的な巨大な緑の森がぽっかりと浮かんでいるような独特の景観を作り出しています。近隣の堺市市役所展望ロビーや気球体験などから上空近くの視点で眺めることで、古代の人々が描いた幾何学的で美しいデザインの全貌を楽しむことができます。

「百舌鳥・古市古墳群」の関連情報

百舌鳥・古市古墳群 PRムービー

大阪府の百舌鳥・古市古墳群の価値と歴史的意義を包括的に解説したものです。かつて東アジアとの交流の拠点であった大阪平野に、仁徳天皇陵古墳をはじめとする日本最大級の墳墓が密集しており、これらは高度な土木技術と膨大な労働力によって築かれた古代日本の王権の象徴と位置づけられています。墳墓の多様な形状や規模は当時の厳格な社会階層や政治体制を反映しており、出土した武具や装身具からは大陸との活発な文化交流の様子を読み取ることができます。現在は貴重な文化財として厳重に保護・管理されており、現代の都市景観の中に古代の息吹を伝える世界的に類を見ない独特な歴史的遺産であることが強調されています。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称百舌鳥・古市古墳群
日本
登録区分 世界文化遺産
登録年

2019年

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