泰山
中国の山東省に位置している泰山を含む山岳地帯は、1987年に世界遺産として登録されました。
泰山は、中国の思想的・文化的基盤となってきた「道教」の聖地と考えられています。紀元前の時代、秦の始皇帝がこの地で「封禅」という儀式を行ったと言われており、それ以来、この地は、多くの歴代の皇帝たちによって封禅の儀が執り行われてきました。そのため、道教に関する建造物が多数建造されてきたと言われています。
また、多くの文化人たちが、この泰山をモチーフにして、優れた作品を数多く残していることでも知られています。このように、泰山は、非常に由緒正しく、また、神聖な山であるため、現在でも、道教の聖地である「中国五岳」の中でも、その代表格として、多くの人々から崇敬の念を集めています。
上述してきたように、泰山は文化的にも重要な場所であると考えられていますが、それに加えて、この地には、多彩な植物が存在しており、自然環境の側面からみても、非常に価値の高い場所であると考えられています。
泰山は、文化と自然の両面において優れていると考えられており、複合遺産としての価値を認められています。
また、山麓には泰山府君を祀った岱廟があり、岱廟の壮大な有様は中国三大建築(他に、孔廟、紫禁城)の一つに数えらています。