2008年に登録されたメキシコの世界遺産「オオカバマダラ生物圏保護区」は、その名前が示すようにオオカバマダラが越冬する際に暮らす地域の保護を主目的としています。
オオカバマダラ
オオカバマダラは、冬を越すために、3,000キロメートルを旅してメキシコの森にやって来る体長10センチメートルほどの黄色いチョウです。森では1億5,000万匹のチョウが越冬し、カナダやアメリカ北部からメキシコまで旅をします。
なぜ、3,000キロメートルもの距離を飛んで来るのか、その理由はよくわかっていません。遺伝子に組み込まれた行動と考えるしかないのです。オオカバマダラは、秋にメキシコにやって来て冬を越し、春になると北に旅立って行きます。
黄金の森
木の枝や幹にびっしりと張り付いたオオカバマダラは、「黄金の森」を作り出します。木の幹に密集することで、木が放射する熱に守られて寒さをしのいでいるのです。
そして春になると、旅立ちの羽ばたきの音で森が満たされます。
蝶の樹、蝶の森