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メッセル採掘場の化石発掘現場



フランクフルト中心から南に約25km、ドイツ西部のヘッセン州の村メッセル。ここは始新世前期の化石が良好な保存状態で大量に発掘されたエリアです。ガイドツアーのみ訪れることができます。

大量の化石が出土し、地質学的・古生物学的な重要性から、1995年12月9日、ドイツ初のユネスコの自然遺産に登録されています。

メッセルでの化石採掘は1970年代から本格的に始まりましたが、当初の採掘は露天掘りで、現在でも地下60 m ほどのところに約1km²に渡って広がった初期の採掘現場を見ることができます。

地質学的・古生物学的に重要だというだけでなく、古代に馳せるロマンを求める多くの観光客の人気を集めています。

メッセル採掘場の化石発掘現場(メッセルピットの化石地域)とは

photo credit: Syenitabbau via photopin (license)

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3600万~5700万年前の新生代・始新世前期の化石が約4万点以上発見された、世界でも屈指の化石採掘スポットです。

この一帯はもともと亜熱帯の湖だったこともあり、湖周辺に住む動物や植物が中心に発掘されています。化石になった動物が沈んだ湖の底は無酸素状態だったので、腐ることなくクオリティーの高い状態で化石となっています。

1900年頃になって、化石がある場所として認識されるようになりました。本格的に発掘され始めたのは1970年頃。

地表から渦を巻くように地下に向けて掘られた採掘場は、地下約60mに約1k㎡に渡り広がっています。

発掘された数々の化石

馬の祖先といわれるプロパレオテリウム、アリクイ、霊長類をはじめ、鳥類50種以上、カメ、ヘビ、トカゲなどの爬虫類31種、魚8種、無脊椎動物30種、くるみやブドウなどの植物100科などの化石が発掘されました。

ハリネズミの近縁動物「フォリドケルクス」の体毛やコウモリの飛膜、胃の中の蛾が残っていたり、ここで出土した化石は当時の貴重な資料とされています。

メッセル層

この辺りの地層はメッセル層と呼ばれています。湖は流れがほとんどなく、湾曲しない安定した地層が特徴です。一帯の岩石はオイルシェール(油母頁岩)で、泥と枯葉がゆっくりと静かに地層が堆積したため、化石の状態は極めて良好です。

しかし、雨風にさらされ風化すると紙屑のように剥がれてしまうほどもろく、採掘が困難な地層です。

メッセル層はオイルシェールで出来ているので、戦争中は資源試掘が行われていました。この当時は化石の価値は低いものでした。東西700m、南北1kmの試掘跡はそのまま放置され、この場をごみ処理場として使う案がでましたが、この頃から化石の重要性が認識されるようになり、化石エリアが保存されることになり、現在に至っています。

ビジターセンターでは地層についての展示はもちろん、化石の展示もされています。手で触って嗅覚も使う体験をしながら楽しめるよう工夫されています。

まとめ

採掘現場周辺はとても美しい自然に包まれています。小高い所にある展望台から採掘現場を眺めると、不思議な世界感に包まれます。近年いにしえの生物たちとの出会いを求めて、たくさんの人が訪れる世界遺産となっています。ぜひ、始新世前期に登場した、生物たちのタイムカプセルを見学して5000年前の壮大なロマンに触れてください。

 

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