マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園
マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園は、1993年に登録された世界遺産です。マテーラはナポリの東方に位置します。渓谷の岩盤に、幾重にも層をなして密集するサッシと呼ばれる洞窟住居群で有名な街です。
農地解放前の小作農民が住居として利用していたマテーラは、貧しい南イタリアの象徴でもあります。
洞窟居住群
旧石器時代や新石器時代から人が暮らした痕跡があり、サッシも古い時代に作られはじめました。サッシは凝灰岩の岩盤に空いた洞窟を住居として利用したものです。洞窟住居群で、現在見つかっているものは3000を超えています。もともとは天然の洞窟を利用していましたが、徐々に人工の洞窟も造られるようになりました。天然洞窟と人工洞窟が迷路のように絡み合っている場所も存在します。
岩窟教会群
マテーラには、洞窟住居群のほかに、修道士が築いた岩窟教会も点在します。現在約130の岩窟教会があり、中でも1270年に建造された石造りのドゥオモ(大聖堂)が有名です。サッシは住人が離れ、荒廃したこともありましたが、世界遺産に登録され、徐々に人も戻ってきています。
しかし、まだ観光地として体制が整っていない部分もあり、注意が必要です。