| 名称 | マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群 |
|---|---|
| 国 |
イエメン |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群
2023年に開催延期された第45回世界遺産委員会に先駆けて、第18回世界遺産委員会臨時会議が開催されました(2023年1月25日)。
そこで、イエメンの「マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群」が世界文化遺産へ緊急登録されると同時に、不安定な政治情勢などにより保存状況が劣悪で危機遺産にも指定されました。
「マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群」は、イエメン中部の都市マリブに点在する7つの遺跡からなる世界遺産です。この地域は紀元前1000年頃から西暦630年頃(イスラム教がもたらされるまで)にかけて繁栄した「シバ王国」の中心地であり、当時の高度な建築や行政システム、優れた水利(技術的な水の管理)の技術を現代に伝えています。
特に、乾燥した厳しい環境のなかで大規模なダムや水路を建設し、古代のアラビア半島で最大規模の人造オアシスを作り出して農業を支えた点や、地中海や東アフリカを結ぶ乳香(こうりょうとなる樹脂)の交易ルートを押さえて豊かな繁栄を築いた点が非常に高く評価されました。
この遺産に含まれる「マリブの大ダム(古代マリブ・ダム)」は、紀元前8世紀頃に建設された世界最古級の巨大な水利建造物として非常に有名です。このダムが引き起こした決壊事故は、イスラム教の聖典である『コーラン(クルアーン)』の第34章「シバ章」にも歴史的大災害として記載されています。かつて「2つの楽園の庭園」と称されるほど豊かな農地を実らせていたこの巨大ダムが決壊したことで、周辺のオアシスは崩壊し、数万人規模の人々がアラビア半島各地へ移住せざるを得なくなったと伝えられており、古代アラビアの歴史を大きく変えた舞台として世界的に知られています。